使用済み使い捨てマスクの再利用について




使用済みマスク・使い捨てマスクの再利用について


2020年に入り突如のコロナウィルス出現により、日本は混乱の真っ只中にあります。現在、私たちはウィルスを拡散させぬよう個々人が注意をし冷静にこの難局を乗り切ることが大事かと思います。
ウィルス蔓延を防ぐための手段として、こまめな手洗い・外出時のマスク着用・不要不急の外出の抑制が求められています。しかし、このような緊急事態にも関わらずマスクの生産地の中国はコロナウィルスの蔓延で工場の稼働状況が停滞しており国内への供給で手一杯となっており海外需要まで生産が手が回らぬ状況。また、日本国内の生産メーカーだけでは十分に需要にこたえることが出来ていない状況です。さらに一部の転売業者による買い占め・高額出品も影響し残念ながらマスク不足はここ1〜2か月で解消できるい目途もたっておりません。
そのような状況を鑑み、私がおこなっている使用済み使い捨てマスクの再利用方法をご紹介したいと思います。以下の再利用・再生方法は一般のご家庭であれば手元にあるもので実行可能となります。今や貴重な除菌アルコールスプレーも必要ありませんので是非試してみてください。なお、再生手順についてはいくつか注意点もありますので良く内容を確認してから情報をご利用ください。

1.使用済み・使い捨てマスクの再生にあたり必要なもの


<必要なもの>
@アイロン
A薄手の布(日本てぬぐい又はバンダナ等がベストです)
Bアイロン台(無くてもなんとかなります)
C水
D霧吹き(無くても全く問題ありません。あると便利です。)


2.再生にあたっての注意点


○使い捨てマスクの素材について

使い捨てマスクの素材は、マスク本体がポリプロビレン、耳紐がポリエステルやポリウレタン、ノーズフィッター付きのものはワイヤーとポリエチレンが使われており大部分が化学繊維で作られています。最大の弱点は高温になると変質し更なる高温で簡単に溶けるという性質があります。

ポリプロビレン 常用耐熱温度 100°c〜140°C
ポリエステル  常用耐熱温度 225°c〜276°c
ポリウレタン  常用耐熱温度 90°c〜130°c
ポリエチレン  常用耐熱温度 70°c〜90°c
                     <日本プラスチック工業連盟HPより>

今回、使用済みの使捨てマスクをアイロンにて再生をしますが、再生時には耐熱特性をよく理解の上実行してください。

(注意)直接アイロンを使用済みの使捨てマスクにあてると一瞬で下記のようになります。貴重なマスクがダメになるのと同時に、溶けたマスクがアイロンにくっついてしまい、剥がすのにとても苦労します!



3.使用済み・使い捨てマスクの再生手順


@準備

アイロンの電源を入れます。温度調整が可能であれば低温で設定します。あまり高温下に置くとマスクの繊維に変質がおきてフィルター機能に影響が出るとともに、本体が溶けてしまいます。少し時間はかかりますが低温でじっくり蒸して仕上げるようにしましょう。また、スチーム機能があるアイロンはスチームもオンにしておいてください。

Aマスクに水分を与える

霧吹きが手元にある場合はマスクの隙間部分に軽く霧を吹いてください。霧吹きがない場合(我が家には霧吹きがありません)は水をかるくかけ隙間部分に水分を含ませてください。

B薄手の布を水に浸しシッカリしぼります。

我が家には日本手ぬぐいが多量にありますので、日本手ぬぐいを利用しています。
水に浸したら水が落ちないぐらいまでシッカリしぼります。

Cアイロン台に使用済み使い捨てマスクを整え置きます。

アイロンをかけた時しわにならないよう形を整えます。この時形を整えないと仕上がりが良くないのでシッカリ整えましょう。


Dマスク上に濡れた日本手ぬぐいをあてアイロンで蒸します。

マスクの上に濡れた手ぬぐいをそっと置き、しわにならないよう注意しましょう。

アイロンをあてるときはあまり押し付けずアイロンの自重で押し当てるようにします。
あまり強く押すとマスクの繊維に影響が出る場合があるので注意しましょう。
目安は1〜2分位でマスク全体を蒸すようなイメージでアイロンをかけてください。

※アイロン台がない場合は、テーブル等の平らなところに手ぬぐいを敷いていただき、その上にマスクを置きます。
そのあと手ぬぐいを折り返し、マスクを挟み込んでアイロンをかけます。

  


E布が乾いてきたらマスクを裏返し、布をずらしてアイロンをかけます。

アイロンがけはマスクの機能を失わないように常に濡れた布部分をあててかけましょう。裏面も同じように1〜2分間蒸すような感じでアイロンがけをします。終わりましたら更に同じ動作を1〜2回繰り返します。

Eアイロンがけ完了

霧吹きでかけた水分が飛んだ状態でアイロンがけ完了です。


4.アイロンによる使用済みマスク再生の効果


アイロンによる使用済みマスク再生については、
@蒸気による殺菌ができる。
A水洗い・熱湯をかける等に比べてマスクへの負担が少ない。
B雑菌による嫌なニオイが飛ぶ。
C使用前に近い形を維持できる。
Dいまや貴重なアルコール除菌スプレーを使用しないで再利用できる。
等かなり良い点があります。ただし、アイロンのかけ方や温度によって繊維に影響が出る可能性があり、もちろん万能ではなくメーカー推奨でもありませんので、実行する場合は自己責任にてお願いいたします。


5.終わりに

 

 3月2日 経産省が「マスクは再利用可能」周知を検討

とのことですが、肝心なアルコール除菌用のスプレーも品薄な状況です。
政府はマスク増産や輸入強化の発信を行っていますが、残念ながら全く供給が追い付かず再利用を促すことで少しでも品薄の状態を改善したいようです・・・。(事情はよくわかります)
アマゾンや楽天・ヤフオクで幅をきかせる転売業者にも負けず、なんとしても大切な家族とともにこの状況を乗り切っていかなければなりません。マスクメーカーからすると繊維が崩れるからとか機能がダウンするとか、こんなのダメというでしょう・・・。それでも人ごみへ出なければならない私たちは、なんとかマスクを確保しなければいけない。マスク枯渇の中での非常用対処法ということをご理解いただき、とりあえず試してみてもらえばと思います。なお、上記内容についてはもちろんクレームは受けませんので繰り返し自己責任でお願いいたします。